title: “ちゃんとしなきゃ”をやめたら、生きるのが少し楽になった
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“ちゃんとしなきゃ”をやめたら、生きるのが少し楽になった
「ちゃんとできない自分」がずっと許せなかった
大学時代、私はずっと劣等感を抱えていました。
友達のようにキラキラした学生生活を送れなかった。
何かを頑張っても、どこか自信が持てない。
就職活動もうまくいかず、私は派遣社員として社会に出ました。
正社員との待遇の差を感じながらも、
「ちゃんとしなきゃ」「人一倍頑張らなきゃ」
そんな思いで、必死に働いていました。
“ちゃんとすること”が、病気を悪化させていた
その「ちゃんと」が、私を追いつめていたのです。
「遅刻しちゃダメ」
「クビにならないように、常に120%で」
「失敗したら、もう終わり」
そんな思考で毎日を過ごすうちに、私の病状は悪化しました。
薬はどんどん増え、副作用もひどくなっていきました。
- 手の震え
- 脚のムズムズ感で夜眠れない
- 異常なほどのイライラ
- 増える薬の数、30錠を超える毎日
私は「治すために飲んでいる薬」で、
むしろどんどん「自分らしさ」を失っていったのです。
「異常」だと感じるほどの劣等感と怒り
特に、手の震えは私にとって大きなトラウマでした。
職場で字がうまく書けない
お釣りを渡す手が震える
人前で書類に記入するのが怖い
それが劣等感につながり、
「なんで自分だけ…」という怒りも湧いてきました。
誰にも相談できず、
「これも“ちゃんとしてない”自分のせいだ」と責めてばかりいました。
電気けいれん療法で、薬は5錠に
やがて私は2回目の自殺企図を経て、入院。
医師のすすめで電気けいれん療法(ECT)を受けました。
参考リンク:国立精神・神経医療研究センター|ECTについて
これにより、劇的に症状が改善し、
薬も5錠に減りました。
副作用からもほとんど解放され、
「これが自分のあるべき姿なのでは」と思えるようになったのです。
看護師さんのひとことが、私を救ってくれた
入院中、看護師さんやカウンセラーと話す機会がありました。
その中で、ある看護師さんがこう言いました。
「“ちゃんと”って、誰の基準なんでしょうね」
「自分の“ちゃんと”を見つければいいんですよ」
ハッとしました。
私はずっと“社会の”ちゃんと、“他人の”ちゃんと、ばかりを追いかけていた。
でも、それができなくて壊れてしまったなら、
そんな“ちゃんと”は、もう手放してもいいのかもしれない。
おわりに:少し楽に生きるために、自分基準でいい
“ちゃんとしなきゃ”をやめたら、生きるのが少し楽になった。
今も病気が完全に治ったわけではありません。
でも、「自分にできる範囲で」「自分らしく生きる」ことを選ぶようになってから、
私はほんの少し、自分にやさしくなれました。
もし、今「ちゃんとできない自分」に苦しんでいる人がいたら、伝えたいです。
どうか、“自分のちゃんと”を、大切にしてください。
それだけで、明日が少しだけ生きやすくなるかもしれません。
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